日の丸カレッジ

これから日本文化を学ぶ人へのロードマップ


【まとめ】緑茶・紅茶・烏龍茶の違い【発酵度と成分が違います】

この記事の内容 岡倉天心が「カメリアの女皇」と称えたのは→お茶のこと
・酸化(発酵)の度合いで別の茶になります
・緑茶に豊富に含まれる成分とは?

 

みなさんは、緑茶・烏龍茶・紅茶にどのような違いがあるか知っていますか?

 

最近では広く認知されてきましたが、それぞれ別の植物から作られるわけではありません。どのような違いがあるのか、ざっくり解説します。

 

 

緑茶も紅茶も烏龍茶も同じチャから作られる

茶畑

 

チャ[Camellia Sinensis]は、ツバキ科ツバキ属チャ節の植物です。 近年では有名になってきましたが、緑茶も紅茶も烏龍茶もこのカメリア・シネンシスから製造されます。

 

茶の本』で名高い岡倉天心は、いみじくも

 

茶碗をもてはやしたからといって責められることもあるまい。人類はもっと悪いことをしているのだ。酒神バッカスをあがめて、われわれは犠牲をふんだんに供えすぎた。軍神マルスの血まみれの像を美化しさえした。ならばカメリヤの女皇に身を捧げて、その祭壇から流れる暖かい同情の流れに楽しみさざめいてもいいではないか。

 

岡倉天心/著、桶谷秀昭/訳『英文収録 茶の本講談社学術文庫、1994年、14~15頁

 

と、茶の素晴らしさを詩的に表現しました。

 

カメリア・シネンシスの仲間たち

カメリア・シネンシス

 

厳密にはチャ[Camellia Sinensis]ではないものの、人類が長年「茶」として認識してきたものに、カメリア・タリエンシスやカメリア・イラワジエンシスがあります。

 

これらは外見も成分もチャに似ており、交配が可能なことから、病気やストレスへの耐性向上や、低カフェイン茶の開発などに利用されています。

 

チャは中国系とインド系に大別される

 

チャは、さらに次のように大別されます。

 

カメリア・シネンシス・シネンシス[Camellia sinensis var. sinensis]

カメリア・シネンシス・アッサミカ[Camellia sinensis var. assamica]

 

それぞれの特徴を見てみましょう。

 

  中国系 インド系
耐寒性 強い 弱い
葉の大きさ 小さい 大きい
樹の高さ 灌木(かんぼく)=低い 喬木(きょうぼく)=高い
タンニン 少ない 多い
用途 主に緑茶用 主に紅茶用

 

さらに、これらは

 

①中国小葉種 中国南部、中国東部、台湾に分布。日本に伝わったとされるもの。

②中国大葉種 四川省雲南省に分布。

③インド小葉種(シャン種) タイ北部、ミャンマー北部、トンキン、ラオスに分布。

④インド大葉種(アッサム種) アッサム地方、マニプル地方に分布。

 

と4種類に分けられ、それぞれ樹高、分枝数、葉の形状などが異なります。

 

チャの学名については、こちらのサイトをご参照ください↓

  ◎お茶の学名から見るお茶の品種の由来

https://hojotea.com/jp/posts-946/

 

酸化(発酵)の度合いで変わる茶の種類

発酵度と茶の関係

 

一般的に、緑茶は不発酵茶、烏龍茶は半発酵茶、紅茶は全発酵茶、プーアル茶は後発酵茶に分類されます。

 

慣用的に「発酵」といいますが、厳密には「酸化」のことであり、緑茶はチャを摘んでからすぐに加熱処理をして酸化を止めます。

 

この酸化(発酵)を止めず、生葉をしおれさせる工程のことを「萎凋(いちょう)」といいます。

 

後発酵茶は、いったん酸化(発酵)を止めたあと、カビや細菌をつけて独特の風味を加えたものです(こちらのほうが発酵と呼ぶにふさわしいかも?)。

 

この図はあくまで目安であり、日本茶のすべてが蒸し製ではなく、中国茶のすべてが釜炒り製ではありません。

 

日本茶のうち、よく聞く「煎茶」「番茶」「玉露などの説明は、また筆を改めたいと思います。

 

中国茶には6色の分類がある

中国茶の分類

 

中国茶には緑茶のほかにも、白茶、黄茶青茶、紅茶、黒茶という分類があります。

 

これらは、必ずしも葉の色や水色(すいしょく)を反映した表現ではありませんが、陰陽五行説を思わせるユニークな分類です。

 

また、白茶や黄茶のように特別な茶樹を用いるものは別にして、他は同じチャから作られます。

 

北宋の皇帝で『大観茶論』を著した徽宗は、白茶を特に褒め称えたことで知られています。

 

徽宗皇帝(一一〇〇年-一一二五年)は大芸術家でありすぎたため品行方正の君主たりえなかったが、茶の珍種を手に入れるためにその財宝を抛って顧みなかった。皇帝みずから茶の二十四種についての論文を書いたが、そのうちで、「白茶」をもっとも稀少で良質のものであると賞讃している。

 

岡倉天心/著、桶谷秀昭/訳『英文収録 茶の本講談社学術文庫、1994年、31頁

  

中国茶の分類については、こちらのサイトをご参照ください↓

 中国茶の種類|伊藤園

http://www.ocha.tv/varieties/chinesetea_varieties/

 

緑茶はビタミンCとカテキンが豊富

緑茶

 

同じチャでも、私たちの胃袋に入る頃には、その含有成分に違いが出てきます。

 

  タンニン カテキン カフェイン アミノ酸 ビタミンC
玉露 12.0% 10.0% 3.5% 4.0% 150mg
煎茶 15.6% 13.8% 2.3% 2.3% 300mg
烏龍茶 16.1% 3.4% 3.7% 1.0% 44mg
紅茶 21.3% 5.7% 3.7% 1.0% 0mg

 

玉露」も緑茶の一種ですが、日光を遮って栽培することで、旨味成分(アミノ酸類)のテアニンがカテキンに変化するのを抑え、高級で贅沢な味わいとなります。

 

不発酵茶である緑茶は、烏龍茶や紅茶と比べて、ビタミンCやカテキン類が豊富であることがわかると思います。

 

緑茶の効能については、こちらの記事をご参照ください↓

hinomaru-college.hatenablog.com