日の丸カレッジ

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アクセントとイントネーションの違い【間違えていますよ】

この記事の内容 ・アクセントとイントネーションの違いをざっくり解説
・日本語のアクセントの特徴と型について
・アクセントを学ぶための一冊

 

関東出身の私は方言への憧れが強くYou tubeでよく方言の動画を観てよだれを垂らしています。

 

ただ、気になることが一つ。演者も視聴者も「アクセントとイントネーションの違い」を勘違いしているようなんですよね。

 

そこで今回は、アクセントとイントネーションの違いについて、ざっくり確認したいと思います。

 

 

アクセントとイントネーションの違い

アナウンサー

 

▼イントネーションを変えるとこうなります

1 カキ、食べたい。

2 カキ、食べたい?

 

平叙文(終止形)が疑問文(疑問形)に変わりました。

 

イントネーションとは、広義には、文全体の音の高さの変化(音調)を指すが、狭義には、話者の表現意図に関係する、文末、句末における音調を指す。

 

松崎寛・河野俊之『日本語教育能力試験に合格するための 音声23』アルク、2010年、54頁 

 

イントネーションが変わることによって、文全体の意味が変わりましたよね。

 

▼アクセントを変えるとこうなります

3 柿、食べたい。

4 牡蠣、食べたい。

 

食べたいモノが、果物から海産物に変わりました。

 

アクセントは単語ごとに決まっており、単語の一部である。そのため、話者の気持ちや状況などで変わることはない。

 

前掲書、54頁 

 

アクセントは地域によって変わります

全国アクセント分布図

三省堂大辞林特別ページ「全国アクセント分布図」より(2021年5月4日アクセス)

http://daijirin.dual-d.net/extra/hougen2.html

 

もっと細かく分けられるのですが、わかりやすかったのでこのマップを使わせていただきました。

 

「崩壊」の地域は、別名「無アクセント」ともいいます。

 

「一型(いっけい)アクセント」は、アクセントの型が一つしかない地域です。アクセントの型については後述します。

 

「特殊式」のうち、鹿児島は「二型(にけい)アクセント」の地域として有名ですね(って、私が鹿児島弁動画ばかりを観ているからそう思うだけかも)。

 

だから「関西と関東では、イントネーションが違う」と言っているYou tuberが、本当に言いたいのは 「関西と関東では、アクセントが違う」 ということだと思います。

 

どうして勘違いが起こるのか

 

端的に言ってしまえば、多くの人が 「英語の強弱アクセントと勘違いしている」 ということが原因ではないでしょうか。

 

日本語:高低アクセント

英語、ドイツ語:強弱アクセント

 

日本語は高低(ピッチ)を,英語は強弱(ストレスの有無)を主体としてアクセントを形成している。さらに,強弱と高低の両方を用いたり,これら以外の音的特徴(たとえば,喉頭緊張とか,母音の長短とか)を用いることも可能であろう。

 

"アクセント", 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-04)

 

このように、日本語と英語ではアクセントの概念が違います。

 

「橋」と「箸」の違いは、アクセントによるものなのですが、強弱が違うわけではないので、つい「イントネーションが違う」と言いたくなるわけです。

 

強弱アクセントを日本語に持ち込むと…

 

余談ですが、母語の癖を学習中の言語に持ち込んでしまうことを母語の干渉」といいます。日本語を強弱アクセントで読むとどうなるか、みなさんも一度は耳にしたことがあるかと思います。

 

トヨタ→トラ(2拍めが強い)

ホンダ→ンダ(1拍めが強い)

マツダヅダ(1拍めが強い)

 

「英語のアクセントは強弱ではなく高低だ」とおっしゃっている方もいます↓

 https://youtu.be/p-eiRpHwglg

 

・ストレス=強勢≒強弱

・高い音が長くなる、低い音が短くなる

・英語はリズム言語→彼らは日本語もリズムを付けて読んでしまう

 

定説とは異なりますが、説明を聞くと腑に落ちる内容です。

 

アクセントの型を見てみよう

アクセントの型

三省堂大辞林アクセント解説「gooサイトでの凡例で省略されている図版」より(2021年5月4日アクセス)

https://www.sanseido-publ.co.jp/publ/dicts/daijirin_ac.html

 

アクセントの型には、平板式(へいばんしき)と起伏式(きふくしき)があり、起伏式には頭高型(あたまだかがた)、中高型(なかだかがた)、尾高型(おだかがた)があります。

 

平板式─平板型

起伏式┬頭高型

   ├中高型

   └尾高型

 

アクセントの型の〇(白丸)には「が」を入れるとわかりやすいと思います。

 

例えば、「木」と「気」だけではアクセントの分類がわかりませんが、「木が」「気が」と助詞を付けるとアクセントの違いがわかりますよね。

 

こちらのサイトでは、音声が確認できます↓

https://nihongokyoiku-shiken.com/japanese-accent-type/

 

イントネーションの種類にも、上昇調、平調(たいらちょう)、下降調、卓立上昇調(たくりつじょうしょうちょう)などがありますが、今回の記事では割愛します。

 

アクセントがわからなくなったら

アクセント辞典がおすすめです。

三省堂『新明解アクセント辞典』

金田一春彦/監、秋永一枝/編『新明解日本語アクセント辞典 CD付き』三省堂、2010年

 

特にアナウンサーを目指す方は必携です。これから音声メディアをがんばろうとしている方にも役立つのではないかと思います。

 

私もこのアクセント辞典を使っているのですが、何気に「凡例」や「付録」が勉強になるんですよね。CDも付いているので助かっています。