日の丸カレッジ

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論文に敬称は不要?

今回の記事は、論文における敬称の扱い方についてのお話です。

 

 

例)山田太郎によれば or 山田太郎氏によれば

論文、レポート、原稿用紙

 

論文を執筆する際、他の研究者の見解(先行研究)について言及する場面が必ず出てくると思います。その際に迷うのが

 

①呼び捨てにするべきか
②敬称をつけるべきか

 

という部分でしょう。特に学生の場合は、先達である研究者を呼び捨てにすることは躊躇うところです。さすがに、

 

〇〇先生によれば…
✕✕さんによれば…

 

といった敬称はおかしいですが、

 

△△氏によれば…

 

という書き方をしたくなる気持ちはわかります。

 

論文は呼び捨てOK(敬称不要)です

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論文において敬称をつけないのは、学問のジャンルを問わずに浸透している慣習のようです。

 

参考までに、社会学分野の「研究者表記」の仕方について書かれているサイトを載せておきます。

 

◎日本社会学会|引用(3.1 研究者名の表記)
https://jss-sociology.org/bulletin/guide/quotation/

 

注の付け方などは、学問ジャンルによってだいぶ違いがありますが、敬称は不要だというのが一般的なようです。

 

「〇〇氏」と表記する研究者もいる

 

私が通っていた大学に、喧嘩上等の武闘派の先生(女性)がいたのですが、その先生は論文で他の研究者について論じる際は、必ず〇〇氏と呼称するそうです。なんでも

 

「呼び捨てだなんて、そんな畏れ多いことは怖くてできません」

 

とおっしゃっていたそうで、

 

「あの先生が怖くてできないだなんて…」

 

とザワついたそうです。この話を聞いて、私は堂々と「〇〇氏」と書くようになったのですが、卒論の主査(主担当)から赤ペンで

 

「敬称は不要です」

 

と直されてしまったため、卒論では呼び捨てで書くことにしました。このへんの流儀は、指導者によっても変わるようです。

 

氏の使い方⇒山田氏太郎が正解らしい

 

戦前・戦中の研究者などで、言葉の遣い方に厳密な人になると、「氏」は姓の下につけるべきものであり、「名」の下につけるのは間違いだという人もいます。

 

つまり、山田太郎さんという同業者がいた場合

 

〇 山田太郎
✕ 山田太郎
〇 山田太郎殿

 

とするのが正しい日本語なのだとか(20へぇ)。

 

こういう人の前では、まちがっても「彼氏」などという言葉を使わないほうがいいですね。

 

昭和初期の流行語。徳川夢声の造語で、「彼」に敬称の「氏」を添えたものだが、一般には、むしろからかいの感じを含めて用いられた。

"かれ‐し【彼氏】", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-04-07)

 

こういう言葉遣いに厳密な人の前で、「彼氏さん」なんて言ったら卒倒してしまうでしょうね。「彼」という言葉に、敬称が2つも付いちゃっているわけですから。

 


ちなみにこのブログは論文ではないので、なるべく敬称をつけるようにしています。